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作品紹介

徳岡 神泉

牡 丹 peony
62.5 × 32.2 cm
絹本・彩色
共箱

徳岡神泉鑑定委員会鑑定証書付

文献・図版/Literature

永善堂画廊発行・近代2 掲載作品


神泉の牡丹に蝶というシンプルな光景は、真に迫る美しさがある。

本作は昭和11年の作である。制作の悩み故に離れた京都へ戻り、中国の宋元様式の花鳥画を研究していた時代に当たる。

その頃の神泉はすでにスランプから脱し、花鳥画家として不動の立場を確立していた。

目に見えない空気や湿度までもが描かれている様で、牡丹や蝶が今にも動き出しそうな凄みがある。

薄くやわらかな花弁は淡く繊細な色で描かれ、葉に行き渡る葉脈や、牡丹の香りに吸い寄せられた白い蝶もまた写実的に描かれている。

モチーフの実体に迫り執拗なまでに描いていく。

その細部まで生が宿っている様だ。

この時代を経て、神泉の作品は新たな画風へと変容していく。

しかしこの時代に見せる作品の表情は、不思議な魅力がある。

神泉は描く時に、そのモチーフが持つ、霊や精の様なものを見届けたいと言った。

単なる花鳥画に留まらない幽玄な世界は神泉のそんな思いから引き出された生命の姿なのであろう。