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作品紹介

安井 曾太郎

来之宮夜景Night view of Kinomiya
28.2 × 38.3 cm
紙・油彩

東京美術倶楽部鑑定証書付
oil on paper

文献・図版/Literature

永善堂画廊発行・近代2 掲載作品


 安井曾太郎は、亡くなる3年前の1952年に、約3ヶ月ほど熱海にある来宮に滞在し、その場所を数多く描いている。

若き日にセザンヌの描いた自然に心を打たれてから、安井は自身の方法で自然と向き合いその姿を描いてきた。

「セザンヌを見た後に見た景色はどれもこれもセザンヌに見えた」と言い、「生き生きとした自然のものを画面に現すには、どうしても必要なだけの変形や、協調や省略が入用だと思います。(略)勿論そう云った絵は、その実際の景色だとか実際の人物だとかと付き合わした場合、無論形や色は違っていますが、その絵から受けるものはやはり全くの本当の自然の景色や人物や花であると思います」とも残している。

本作は夜景という珍しい作品である。

淡い青と深い青を掛け合わせて、夜の闇に浮かぶ景色を描いた。

安井特有の省略とデフォルメが施されている。

中央部には集落が灯す暖かなあかりが見える。

昼間の景色とは違い、どこか叙情的でセンチメンタルな景色である。

絵の具の薄塗り具合から見ると、安井にしては珍しく一気呵成に描いたのではないだろうか。

集落の明かりが灯って消えるまでの間に、一日が終わっていくその夜の刹那的な様子を絵に留めておきたかったのだろう。