104-0061 東京都中央区銀座6-4-7
G・O・West bldg 10F / 11F
Tel 03-3573-0505 Fax 03-3573-0510
E-mail mail@eizendo.com
WEB www.eizendo.com

  • f

作品紹介

三岸 好太郎Kotaro Migishi

Flower
33.4 × 24.3 cm
板にキャンバス貼付け

1932年頃

文献・図版/Literature

三岸好太郎全画集 No,229 掲載


三岸好太郎が29歳の時に描いた花である。
それから2年後に、彼は31歳の若さでこの世を去っている。
北海道に生まれ、独学で絵画を学んだ。
わずかあった画業の中で好太郎は、岸田劉生・ルオー・シュルレアリスムの作家たちなどの多くの芸術に感化され
目まぐるしく画風を変えて描き続けた。
 好太郎は21歳の時に吉田節子と結婚。節子は94歳まで描き続けた女流画家の三岸節子である。
情熱的で自由奔放であった好太郎の性格は、女性関係においても同じであったといい、節子は苦労をしたようだ。
 本作は花瓶に生けられた黄色い花が描かれている。色調は限りなく抑えられているも、多くの色が交錯し複雑な色味を見せている。
ペインティングナイフで無造作に描かれた背景には、素早い筆のタッチで描かれた愛らしい黄色い花が際立っている。
その絵の具の隆起具合は、描かれた時の勢いをそのまま残している。
 淀んだ色調の中にも光を感じさせるような、不思議な力を秘めた静かな花である。
晩年の象徴的に描かれた蝶や貝殻などとは違い、こうした花の絵も好太郎は残している。
本作は、どことなく三岸節子が描く花と雰囲気が似ている。
三岸節子は晩年こう言っている。
「来世て結婚するなら、また三岸ですよ」と。
計り知れない画家同士であった夫婦の何かを思わせる叙情感溢れる作品である。