作品紹介

坂本繁二郎 / 仔馬

 

 

「馬の画家」とも呼ばれる、坂本繁二郎が馬を描き出したのは1927年頃からである。

郷里の友人に注文を受けて描いたことがきっかけであった。

それから繁二郎は馬に画題を求め、九州の各地を訪れて農耕や放牧馬を多く取材した。

「九州の明るい季節の変化にとんだ自然、伸びやかな風土に馬の躍動する姿態がぴったりして、私はもう馬に取り憑かれてしまったのです」と語っている。

その言葉通り、12〜3年間、馬だけを描く時期が続く。

本作は繁二郎45歳の1937年頃に描かれたと思われ、代表作「水より上る馬」(東近美所蔵)と同年の作である。

静物画を描き始める少し前の時期に当たり、馬を描くことに円熟を迎えていた頃である。

自由闊達な水彩絵の具の色々が繁二郎の色彩的感覚の秀逸さを感じさせることは言うまでもない。

馬の作品は緩やかな全体像を描くことが多かった中、珍しく本作は穏やかで優しい仔馬の表情が愛らしく描かれており、瞳の印象が魅力的だ。馬の瞳について繁二郎は「つぶらな瞳に宿る生き物の自然の情感が私を虜にしたのでしょう」とも述べている。心から惚れ込み、美の対象であった馬が、一瞬、繁二郎と心の邂逅を果たしたそんな様相が浮かぶ。

 

 

 

坂本繁二郎

「仔馬」

14.5 × 10.0 cm

1937年

紙 / 水彩

坂本暁彦シール付

 

 

*日本洋画の相貌展 出品

アートフェア東京:2019年3月7日〜10日

巡回展:3月13日〜20日

 

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