作品紹介

真紅の薔薇(山口華楊先生)

山口華楊・薔薇

すっと伸びた棘のある茎に、赤い薔薇が二輪。

大輪の薔薇ではなく、二輪というところが華楊らしくていい。

薔薇は日本画・洋画ともに良く描かれる題材ではある。しかし、花瓶に生けられた薔薇は洋画ではよく見かけるが、自然のままの姿の薔薇というのは、日本画の方が多いのではないか。おそらくそれは、古来から続く日本人独自の感性に通ずる文化があるのかもしれない。

日本人は花を生ける時には自然のままの姿が美しいと感じることで表現をなした。花々で美しさを盛り立てる西洋のフラワーアレンジとはまた少し趣が異なっている。華楊も生けられた薔薇の姿よりも自然に咲くその姿を美しいと捉えたのであろう。薔薇のもつ妖艶な姿というよりは、生き生きとした可憐で可愛らい薔薇として描かれている。

本作の薔薇の花びらには、岩絵の具特有の鉱物の美しさがふんだんに利用されている。少し粗めの絵の具が薔薇の花びらの品のある質感を表している。目を覚ますような真っ赤な赤というよりも、少し落ち着いた赤みを好んだのだろう。情熱的というよりも、気品の高いと言った方がよく似合う薔薇である。

(た)

*東美アートフェア・画廊にて展示いたします。

*作品の詳細はお問い合わせください

————————————————————————-

山口 華楊先生

『薔薇』

45.6×37.2cm (8号)

紙本・彩色・静野シール

 

※当ホームページに掲載されている作品画像の二次使用や転用は固くお断りいたします。