作品紹介

中川一政(薔薇)

 

日本近代洋画の巨匠、中川一政。友人にもらった油絵の具が機縁となって、1914年に巽画会に出品したところ、岸田劉生の目に止まり入選。画家としてデビューを果たす。

中川一政は油彩画だけにとどまらず日本画、書、小説の装丁など、あらゆる分野で活躍し、97歳で亡くなるまで、政策に心血を注いだ。

一政が生涯、最も数多く描いたモチーフは薔薇である。意外にも薔薇を描き始めたのは、65歳頃の頃からで、よき友人であった梅原龍三郎の描く薔薇に影響を受けてのことだった。亡くなるまで、800点以上の薔薇を描いたと言われる。

本作はまさに、その800点のうちの一枚。伸びやかな筆致と色とりどりの薔薇がリズミカルに配置されている。迷うことなく、眼前に置かれた薔薇を一気呵成に描き出したのだろう。描かれたマジョリカ壺のコバルト色彩が黄色い薔薇に映えて美しい。

一政は、独学で油絵を始めた。梅原のように東京美術学校から留学してルノワールに師事したというような華麗な経歴があるわけではない。その分、独学で作品を残したゴッホやセザンヌを敬慕し、傾倒した。

花の一つ一つに性格があり、生けられた位置によっても流れが変わってくる。一政は、薔薇を描くとはまるで詩を書いているようなものだと語っていた。薔薇図は油絵を謳歌する一政の喜びと華やぎの情景であろう。

*10月11日〜19日「移転一周年記念展」出品

中川一政

『薔薇』

60.7×45.4cm

キャンバス・油彩 / 東京美術倶楽部鑑定証書付

※当ホームページに掲載されている作品画像の二次使用や転用は固くお断りいたします。

—————————————————————————–

価格や詳細は、お電話またはメールにてお問合せください。

E-mail :  mail@eizendo.com

Tel  03-3573-0505

—————————————————————————–