作品紹介

幾星霜の時を経て(竹内浩一先生)

竹内浩一

山口華楊先生との二人展を行うにあたり、竹内先生にそのお願いをしに、京都のご自宅にお伺いした。竹内先生は、そのような舞台は華楊先生・諸先輩方に申し訳が立たないとおっしゃり、またこのような機会は涙が出るほど嬉しいとお言葉もくださった。

華楊先生に対しては、思い返せば胸に詰まるものがあると言われ、その人柄をしのばれる思い出話を聞かせて頂いた。

此度の展覧会に関しては、弊社で所蔵している竹内先生の作品を基本に行う考えでおり、もし可能であれば新作を頂きたいとお願いした所、華楊先生に恥じないように心して描かせていただきたいとまで言って頂き、こちらもその真摯で謙虚なお姿に大変に心を打たれた。

本作はその新作のうちの一点である。

「兎走烏飛(とそううひ)」とは、中国の荘南傑の傷歌行の句にある。烏が太陽・兎が月を示し、転じて月日や歳月の流れを表す。それがまさに竹内先生の心境なのであろう。正面に座る猿は、涙を流しているようにも見える。その姿の全身から伝わってくる何かに、どうしても自己を投影せざるを得ない。人間は他者にはわからない痛みや辛さを抱えている。太陽や月に照らされ、一生を生きる。宇宙的な空間に抱かれて生きる我々は小さな存在でしかないが、それがまた個であり幸せなのである。そこに竹内先生が目指す世界があるのではないだろうか。

(た)

*東美アートフェア・画廊にて展示いたします。

*作品の詳細はお問い合わせください

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竹内浩一

『兎走烏飛』

91.0×72.7cm

2017年作

紙本・彩色・共シール

 

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