作品紹介

小林古径(納屋)

 

小林古径は、前田青邨・安田靫彦と並び、『院展三羽烏』と評された、近代日本画界では欠かすことの出来ない人物ではある。

1883年に、現在の新潟上越市に生まれる。16歳で上京して日本画家の梶田半古に弟子入り。39歳の時には、西洋美術の研究の為に前田青邨と共に、日本美術院留学生として渡欧。

翌年には、大英博物館にて顧愷之の中国・東晋の名画『女史箴図巻』(じょししんずかん)を模写する。線描の美しさの源となった。以降、日本美術院で活躍。数々の名作を世に残した。

本作は渡欧前の大正初期の作と思われる。川の辺りに一軒の茅葺づくりの納屋が佇み、屋根には鳥が三羽、憩いをとっている。どこか哀愁の漂う風景である。

古径は幼い時に、母・兄・父と三人の肉親を亡くし、10歳にして幼い妹と二人残されている。そしてわずか16歳の時に上京し、梶田半古の門を叩いた。古径は寡黙な人だったという。そんな生い立ちが多少影響したのかもしれない。しかし、絵に関しては頑固で果てしない情熱を秘めた人であった。そんな古径を心から尊敬し弟子となったのは奥村土牛である。

本作は古径の郷里・新潟の風景のように思われる。幼き日の切ない記憶や郷里の匂い。ノスタルジーを感じさせるこの景色からは同じく新潟に生まれた良寛の風情も伝わる。古径は単なる絵に止まらず、そうした香りや郷愁を描く事のできる画家である。それが伝わる珍しい趣の作品である。

 

*10月11日〜19日「移転一周年記念展」出品

 

小林 古径

『納屋』

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