作品紹介

香月泰男(ニューヨーク)

文展で特選、国画会で佐分賞を受賞し、画家としての充実を目の前にして香月泰男は昭和17年召集令状を受けた。

戦後はシベリアの地にて抑留生活を過ごし、日本に戻ったのは昭和22年、36歳の時である。日本に戻った香月は時間を取り戻すかのように制作に励む。

昭和33年頃より香月の色の代名詞とも言えるカーボンブラックへの試みが始まる。そしてその翌年には初めての渡欧を果たす。

香月夫人は「香月はヨーロッパ旅行で自分の黒の仕事に確信を持ったようだ」と語っている。これを機に、自身の芸術への肥やしとして積極的に海外を訪れるようになり、1972年にはパリ・ニューヨーク・タヒチで描いたスケッチブックをそのまま印刷で再現した『香月泰男スケッチブック』を出版した。

本作にニューヨークの風景も、まさに前述のスケッチブックが描かれた1966年の作品である。

ニューヨークには同年にジャパン・ソサエティの招待で滞在。初めて夫人を同伴した旅行であった。

二ヶ月半滞在し、美術館巡りにデッサンの日々のモチーフを探しに歩き回っていたという。

本作は残念ながらどのビルかはわからない。ただ近代的でもモダンなビル群が一同に立ち並ぶニューヨークの圧倒的なエネルギーと洗練された世界に心を掴まれながらも、そんなビルの屋上で羽を休める鳩たちに目をとめた所が香月らしい。

そんな画家の情景の浮かぶニューヨークの風景である。

 

*10月11日〜19日「移転一周年記念展」出品予定

 

香月泰男

『ニューヨーク』

45.6×30.5cm

紙・クレヨン・水彩

1966年作

香月婦美子・藤田士朗鑑定証書付

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