作品紹介

軽快に走る筆致( 鴨居玲 / バンジョウ)

重く、暗い画風が魅力的な鴨居玲。

飾るのに勇気がいるという声をチラホラ聞くことがある。確かに、絵の中に引きずり込まれそうなほどの、強い迫力が大きな魅力でもある。

本作はガッシュで描かれた作品である。鴨居が滞在していたスペインの村の流しの男性が、ヴァンジョウを弾き歌う陽気な姿が味を醸し出している。

鴨居は油彩画以外にも、パステルやガッシュで描いた作品を数残している。油絵とはまた違った、軽やかなタッチや表現を本人も気に入っていたのだろう。そこには、重く鬱々とした鴨居の個性というよりも、純粋に描くことを楽しんだ

鴨居の姿を見てとれる。表情はかなり細かく筆が入っており、あの深い表情がどう描かれたのか筆跡をたどることができる。身近において日常的に楽しむには、とても優れた一枚である。

 

(た)

 

 

*5月25日〜6月3日「一つは持ちたい素描・水彩・ガッシュ展」 出品

*作品の価格・詳細はお問い合わせください

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鴨居玲

『バンジョウ』

32.5×25.1cm

紙・ガッシュ・鉛筆

1975年作