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【作品紹介】竹内栖鳳先生「冨嶽」

2017.5.seihou

 

京都画壇を中心に活躍した竹内栖鳳は、円山応挙の写生主義と

呉春の詩情的な作風を汲んだ、円山四条派と呼ばれる伝統的な技術と感覚を受け継いだ巨匠である。

1864年、京都に生まれた栖鳳は、幼い頃から絵画の才能を開花させる。

幸野楳嶺のもとで学びながら、他方では狩野、土佐派などの古画を幅ひろく模写し研究した。

研究熱心であった栖鳳は、後年世界各地を回り研鑽を積み、特にコローやターナーなどの傑作から

ヒントを受けた。それらを調和し基軸を作ることで、圧倒的な描写力に加え、対象が持つ湿度感といったような表現までもを生み出すことに成功している。

 

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 本作「冨嶽」は気取りのない清々しい雰囲気を持っている作品である。

雪化粧と思われる壮大な冨嶽を背景に新緑を感じる緑青と茜色で構成されている。

二匹の馬の大きさは冨嶽の雄大さを遠方より望むように描かれ、スケール感の象徴のようにも見て取れる。自然の中で悠々と生きている姿が可愛らしく、晩年の栖鳳が描いた気負いのない緩やかな筆致が楽しめる。小品ながらも栖鳳の美が行き渡る。

 

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 栖鳳にはこんな話が残されている。

若い頃からの係り医師が、栖鳳の外遊記念に一筆、短巾か色紙を描いて欲しいと所望した。すると栖鳳は六曲屏風一双にライオンを描いて贈った。だから医師をは驚いて、こんな大作を貰ふ積りはないと断りかけると、栖鳳は朗かに返答した。

「わたしには色紙も短巾も屏風も同じことです」

 

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TEL:03-3573-0505 (平日は午後7時・土曜日は午後5時まで)

竹内 栖鳳 「冨嶽」

26.6×23.7cm

紙本・彩色・共シール

 

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